小さな頃、テレビの歌舞伎で見たのキレイな着物に妙にトキめいて、また役者さんが女形という男性という事も妙な感じでココロが踊った。
でも、フツーに性に悩むこともなく大きくなって、でも女性の格好に憧れは消えてなくて、コッソリと今で言うところの「首下女装」を始めました。
そんなとき、ある時出会った女性が、「お化粧するとおもしろそうね」と言われて、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。一応嫌がるフリしてみたけど、なすがままされて、その自分を見た時、とっても激しい高揚感に包まれたのを覚えている。その女性に後から言わせれば、「そうしたかったんでしょ?」いう雰囲気が出てたし、彼女もそうしたかったらしい。
楽しい時はあっという間に過ぎていく。その女性と突然会うこともなくなってしまい、途方に暮れ感じが凄かったと思う。どうすればいいのかわからなかった。
当時はインターネットとかないし、とにかく情報を集めようにも、紙の媒体のみの時代だった。
今でもそうだけど、憧れあがあるくせに、なかなか一歩を踏み出す勇気がなかったし、そういう意味では、勝手に無理だろうとあきらめていたトコロが大いにあった。結局、10年近く、女装することなく時間は過ぎるのだけど・・・
でもある日、突然にスイッチが入ってしまった。今後も年代の切れ目とかにこのシチェーションは繰り返される事になるけど、「このままでいいの??」って突然自分に問いかけた結果、いそいそと通販でメイク用品が一式になったセットと鈴木杏樹がモデルだったスーツとボブのウイッグとパンプスを買い求めて、かなりかすかな記憶でメイクして女装してみた。そして写真をセルフタイマーで撮ってみた。
撮ったら、当然見てみたいの当然のココロだ。だが、デジカメのない時代だ。写真を撮り、それを見るためには、嫌が応にも「写真屋」という今では絶滅寸前と化したお店へ、フィルムを持参しネガ化してプリントをしてもらわねばならない。
いつもの写真屋さんでは当然に恥ずかし過ぎるし、絶対に無理なので(写真屋さんは当時キチンとプリントされているかをチェックしていた)放置されたフィルムをかなり長い間迷い、眺めていたけど、結局かなり遠くの「35分プリント!!」とか謳っている偶然見つけたお店に行ってプリントしてもらった。
ようやく仕上がった出来栄えは・・・。人に見せたことはないので、一般的な感想は知る由もないが、若かったし肌も今とは段違いのハリなので、嬉し恥ずかしで一人でアルバムに綴じて、たまに眺めてはニマニマしていた。
もうずいぶん前の話ですけどね。。。。